為替市場
ドルが上昇し、約2年ぶりの高値に近づきました。これは、米連邦準備理事会(FRB)が示唆した「タカ派的な金利引き下げ」を市場で消化したことが影響しています。また、今朝発表された2023年第3四半期の米国内総生産(GDP)の確報値が、年率換算で前期比3. 1%の増加に上方修正されたことも追い風となりました。
1週間の新規失業保険申請件数は、前週比2万2000件減少し22万件となり、市場予想の23万件を上回る減少が見られました。
ドル指数は一時108. 480に達し、2022年11月以来の高値を記録。最終的には0. 08%高の108. 360で取引を終えました。ドル/円は1. 63%高の157. 55円で推移し、7月以来の高値となりました。日本銀行は18-19日の金融政策決定会合で、無担保コール翌日物金利の誘導目標を0. 25%程度に据え置くことを決定。植田和男総裁は次の利上げ判断に「もう1ノッチほしい」と述べています。
UBSのFXストラテジストであるバシリ・セレブリアコフ氏は「中央銀行の決定が焦点で、全般的な内容はドルを支持するものでした。FRBがタカ派的な利下げを行い、日本銀行はハト派的な据え置きを発表しました」とコメントしています。
ポンド/ドルは0. 58%安の1. 25ドルとなり、イングランド銀行は19日に政策金利を4. 75%に据え置きました。金融政策委員9人のうち6人が現状維持を支持し、3人が0. 25ポイントの利下げを提案しました。エコノミストの予想では利下げを主張するのは1人と見られていましたが、インフレ圧力による景気減速への対応については予想以上に意見が分かれました。
ユーロ/ドルは0. 16%高の1. 036650ドルで取引されています。
債券市場
長期国債利回りが上昇しました。10年国債利回りは一時6カ月半ぶりの高水準に達し、30年国債利回りも5月初旬以来の高水準に上昇しました。これは、前日にFRBが来年の金融緩和ペースの鈍化を示唆し、さらにこの日は全般的に堅調な経済指標が続いたことが背景にあります。
米国の利回り曲線はスティープ化し、2年債と10年債の利回り格差は一時27. 6ベーシスポイント(bp)となり、2022年6月以来の高水準となりました。最終的には25. 3 bpに縮小し、18日は15. 5 bpでした。
10年債利回りは一時4. 594%に達し、5月下旬以来の高水準を記録。最終的には7. 6 bp上昇し4. 574%で取引を終えました。30年債利回りも上昇し、5月初旬以来の高水準である4. 775%に達し、最終的には7. 6 bp上昇の4. 737%となりました。一方、政策金利見通しに敏感な2年債利回りは4. 1 bp低下し4. 314%に。前日は3週間ぶりの高水準を記録していました。
この日発表された経済データも長期債利回りの上昇を後押ししました。12月14日までの1週間の新規失業保険申請件数は、前週比2万2000件減の22万件でした。また、第三四半期のGDP確報値は年率換算で前期比3. 1%増に上方改定され、堅調な個人消費に支えられ、米経済が予想を上回る成長を遂げたことが確認されました。
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